ハセツネCUP公式コース試走レポート(都民の森~後半)

ハセツネ本番1週間前の日曜、「都民の森」近くにある鞘口峠からゴールまで後半区間32kmを試走してみた。

(前半の試走レポートはこちら)

本番のスケジュールによると、コース後半を走るのは深夜になる予定。分岐の怪しいところや路面状況をあらかじめチェックしておきたい。そのためあえて遅い時間にスタートして、夜間走行も練習してみた。

ハセツネ公式コースは中間にある三頭山(標高1,527m)を最高点として、前半登って後半下るシンメトリーな断面になっている。御前山と大岳山の前後以外はほとんど下りで、心肺的には楽だが脚にこたえた。

武蔵五日市駅からバスで都民の森へ

武蔵五日市駅から都民の森に向かう急行バスに乗車。休日の朝は相当混むのだろう。順番待ちの案内板が出ている。

今日は始発の8:10発でなく、2本目11:35の便に乗った。運賃は片道940円。都民の森までは約1時間かかるので、車内で軽く仮眠を取った。

武蔵五日市駅前のバス停

バスで向かう途中、ロードバイクを何台か追い越した。いつもと逆の立場で車から見ると、前を走る自転車は結構危なっかしい。大型車が近づいてきたら、後方確認・アイコンタクトして路肩に寄ってパスしたが方がお互いに安全だ。

都民の森に着くと、これまで見たことがないくらい多くの自転車が並んでいた。どうやら午前中に東京ヒルクライムHINOHARAステージのレースが行われていたらしい。

東京ヒルクライムHINOHARAステージ

売店で130円のいそべ餅をいただき、190円のカレーパンは補給食としてバッグへ。

都民の森売店の磯部餅

標高1,000m近くの山奥なのに飲食店が充実しているのはうれしい。しかも料金はたいして高くない。

鞘口峠~小河内峠

先日、三頭山まで走った続きとして、今日は鞘口峠からハセツネコースに入る計画。都民の森から森林館を抜けて里山休憩小屋へ向かう。ここから「ブナの路」経由で鞘口峠にアクセスできる。

鞘口峠から御前山までは、まだ走ったことのない区間。御前山から先も前回の練習では逆走だったので、今日は本番と同じ道順で走ってみたい。

鞘口峠

序盤のちょっとした坂を上ると、すぐに砥山(標高1,302m)に到着。そこから少し下ると、奥多摩周遊道路に合流する。

自転車でよく来る道だが、たまに走っている人がいて不思議に思っていた。おそらくハセツネの練習をしている人たちだったのだろう。

しばらく登山道と道路を行ったり来たりしながら、第二関門の月夜見山第二駐車場に到着。

月夜見山第二駐車場

奥多摩湖を見下ろせる第一駐車場と違って、ここは特に見どころがない。普段は素通りしてしまう寂しい駐車場だ。

小河内峠~惣岳山

ハセツネ公式マップに記載されている「駐車場左奥の広い急坂を下る」という場所はすぐわかった。長い下りでなかなか足にこたえる。

ここから先、山頂と左右の巻き道、道が3つに分かれる個所が2つある。案内板もなく悩んだが、どちらに進んでもすぐに合流するとわかった。その後レース本番で確認したところ、中央のきつい坂が公式コースだった。

小河内峠付近の分岐点

小河内峠を越えると「急なガケ」という看板が出ていた。コース内にある危険個所の一つで、公式地図にも注意書きが記載されている。

急なガケに注意

(クリックで拡大)

その先に進むと、確かに奥多摩湖側に向かって急な傾斜になっている。道幅はそれほど狭くないが、本番では日も暮れ、疲れてくる頃なので要注意だ。

ハセツネコースの危険地帯

2007年のハセツネ本番中、この付近で滑落死亡事故があったらしい。幅70cmの山道から180m落下。場所が場所だけに、救助活動も難航したようだ。現在は事故現場を迂回するルートに設定されている。

小河内峠から惣岳山~御前山までの登りは長くてきつい。コース断面図を見ると、三頭山の手前と同じくらいの獲得標高になっている。小河内峠で標高1,030mまで高度を下げるが、御前山でまた1,405mまで登り返す。激しいアップダウンで体力を削られる。

惣岳山の山頂

惣岳山に着いたら御前山まであと少し。その間に、前回の練習でコースを離脱した「体験の森」分岐点を通過した。

御前山~大ダワ~大岳山

御前山から先は霧が出てきて、夕日が差し込むと虹が見えたりした。

御前山の下り

ここから先、大ダワ(鋸山林道)までは下りの傾斜がきつい。鋸山から大岳山まではフラットで走りやすかった。

途中で女性ランナーに抜かれて全然追いつけなかった。トレランは下りで差が出る。速い人はどうしてそんなに飛ばせて、しかも転ばないのが不思議で仕方ない。

大岳山と馬頭刈尾根への分岐点に、「10~1月は17時前後には暗くなる」との警告表示がある。確かに木々に覆われた山道にいると、日が暮れるより早く、あたりが暗くなる気がする。

大岳山の警告表示

(クリックで拡大)

10月9日のレース本番、日没は17:15、日の出は5:41。今日は天気がよかったせいか、17:30までライトなしで走れた。

大岳山の山頂前後にある岩場は、想像していたとおりの難所だった。鎖場では両手を使わないと登れないので、本番ではヘッドライトと軍手が必須だ。

大岳山の鎖場

西側の斜面にハードな岩場が3か所ある。最後の方で勢いよく体を持ち上げると、迫り出した岩に頭をぶつけてしまった。鎖場では手元だけでなく頭上にも注意。

大岳山の山頂は人けがなく寂しい雰囲気だった。

大岳山の山頂

きつい岩場を迂回して、わざわざ山頂まで登らない人が多いのかもしれない。今日は曇っていて眺望もさえなかった。

御岳山~日の出山

大岳山の東斜面にも岩場があるが、西側に比べればまだ傾斜がゆるい。いくつか難所を超えると、ようやく御岳山に向けて走りやすい下り坂になる。

そろそろ夕暮れだが、途中にある長尾茶屋は明かりがついてまだ営業していた。御岳山からケーブルカーで来たお客さんが、茶屋で一服している。ここまで来ると、ようやく人里に戻った気分がしてほっとする。ケーブルカーでふもとまでエスケープできるという安心感もある。

長尾茶屋

長尾茶屋の隣にある長谷川恒夫の記念碑。去年見たときは、まだハセツネというレースの存在も知らなかった。その後トレランにデビューして、さっそくここを走ることになるとは思いもよらなかった。

長谷川恒夫の記念碑

御岳山の神社前で、そろそろライトをスタンバイ。以前、高尾山のナイトランで使用した、ジェントスのヘッドライトとハンドライトを両方準備した。

ジェントスのライト

御岳山から日の出山までは下り基調で走りやすい。日の出山の山頂も相変わらず曇っていて、夜景はおぼろげにしか見えなかった。

日の出山から見た夜景

金毘羅尾根~武蔵五日市駅

日の出山から続く金毘羅尾根は長い下り坂。ほとんど走って通過できる。夜間は視界が悪くてペースが落ちるかと思ったが、慣れればそれほどでもなかった。

金毘羅尾根には「山岳耐久レース」の案内板がいくつか設置してあった。しかも矢印部分に反射素材が貼ってあり、ヘッドライトを向けると数十メートル先からでも視認できる。

山岳耐久レースの案内板

日の出山を出てから2時間弱、20時には武蔵五日市駅に到着した。13時に鞘口峠を出発したので、トータル7時間の行程になった。

夜の武蔵五日市駅

久々に山の中を30km走り、終盤はずっと下りだったせいか翌日は筋肉痛に見舞われた。やはり平地練習だけでは、トレランに必要な筋力を鍛えられない。コースの確認と夜間走行も含めて、ハセツネ本番を意識した練習ができたのはよかった。

初参加でしかも夜中に走るとあって、最初はどんなコースかと不安でいっぱいだった。奥多摩はロードバイクでよく来るが、トレイルはまだ知らないルートが多い。実際に試走してみて、休憩スポットや岩場の難所、山の名前や順番もだいたい覚えることができた。

(ハセツネ・レース本番のレポート)