型落ち4,980円で入手したブルックスのラベナ8シューズレビュー

昨年9月にセールで買った、アンダーアーマーのランニングシューズ、ラピッドがだいぶ傷んできた。ジョギング、普段履き、出張用も兼ねて10か月履き込んできたが、ソールがすり減って踵の内側も破れてきた。

新しく買った、ブルックスのラベナ8というシューズをレビューしてみたい。クッション性は抜群で、アシックスのGT-2000に匹敵する高級製品。ブランドの知名度が日本では低いせいか、半額以下で手に入れることができた。

ときわスポーツで予算5,000円

最近よく行くショップは、東京西エリア~埼玉に多く出店している「ときわスポーツ」。

「クレジットカードが使えるのは5,000円以上」という制約はあるが、独自の会員カード割引でほかのお店より若干安く買える。どこから流れて来たのか、5年くらい前のadizero Japan1など、古いモデルを半額以下で平積みしていたりする。

いつも通り型落ち製品を探したが、アシックスのGT-2000 NEW YORKはまだ8千円台だった。これでも定価より安いが、ときわスポーツならもう一段階下がるはず。さらに格安系では、アシックスJOG 100と並ぶミズノのマキシマイザーが5,000円以下で並んでいた。

いつか試してみたい最安ランニングシューズJOG 100。最近B&Dで見たらJOG 100 2にバージョンアップしていた。量産型ザクIIや、ザク改みたいな感じだろうか。地味に需要があるから、カラーバリエーションも多いのだろう。

ブルックスのラベナ8が半額以下

同じくニューバランスの5千円モデル、M460も豊富に在庫されていた。毎回「今度こそアシックスを買いに行こう」と思ってショップに行くが、ついつい大幅割引されている海外メーカーを買ってしまう。

ランニングシューズに限っては、車や腕時計と違って「国産品の方が高い」という逆転現象が生じている。それだけミズノやアシックスの世界的シェアが高いということだろう。近年はシューズ職人の三村さんもアディダスに移籍したので、国内と海外メーカーで品質が大きく違う気もしない。

ミズノよりニューバランスがおしゃれに見えて迷ったが、その横にブルックスの「ラベナ8」というシューズが並んでいた。ときわスポーツの店頭価格は4,980円だが、ラベナ8の定価は11,880円。

もともと廉価帯のマキシマイザーやM460に比べると、ラベナ8はGT-2000級のモデルなはずだ。確かにソールまわりの仕様やアッパー素材は凝っていて、シンプルな安物シューズより高機能に見える。上級モデルが50%以上の大幅割引、予算5,000円以内で買えるなら、その方がお得といえる。

ブルックスのデザインはアメリカっぽい独特のセンスだが、グレーの配色なら許容範囲だ。トレーニング専用と割り切れば、見てくれはどうでも構わない。むしろ夜間の視認性を考えて、ド派手な蛍光色の方がよいともいえる。

サイズは27cmでちょうどよく、甲の締め付けや踵のこすれも気にならなかったので、ラベナ8を購入した。やはりシューズは店舗で試し履きするに限る。そして今回も結局アシックスは買えなかった。

クッション性と安定感は申し分ない

ランニング歴13年、これまで履いたシューズの中ではクッション性・ホールド感が最高だ。今までアディゼロのCSシリーズ、Japan、ニュートン、アシックスと、いずれもサブ4~サブ3狙いの軽量シューズばかり履き続けてきた経緯もある。

ターサージールがスパルタンな「せんべい布団」だとすると、ラベナ8はふかふかのコイルスプリングマットレスという感じ。柔らかい方が寝心地・走り心地がいいとは限らないが、着地感は期待通りふかふかだ。ソールにDNAというブルックス独自のクッション素材が内蔵されている。

最近買ったニューバランスのゴアテックトレランシューズ、MT620がソール分厚めでこれに近い。オフロード用にソールが強化されているので単純比較はできないが、ロード用のシューズでこのクッション性は最大級という感じだろう。

インソールは着脱できるので、いずれ好みのものに交換したいと思う。靴紐もお気に入りのゴム製キャタピランに替えるつもりだ。ひとまずデフォルト状態で、近所を軽く歩いたり走ったりしてみた。

新品なので、ソールの反発力は抜群に良く感じる。気分的には、ついついスピードを出して走りたくなるような魅力がある。1kmくらい流した感じでは致命的な靴擦れなど違和感はない。

14km走のタイムが縮んだ

翌日、舗装路を14kmほど長めに走ってみたが、普段より6分くらいタイムが縮まった。ランニングシューズを新調すると、ソールのクッション性がフレッシュなのか、気分的に盛り上がるのか、たいていタイムが早くなる。

着地時の安定感も、これまで履いていたアンダーアーマーのラピッドよりは格段によい。これが定価1万円超の、クッション性重視なシューズの実力なのだろう。しばらく5千円程度の格安シューズばかり履いてきたから、明らかに違いがわかってうれしい。

いつもより早いペースで飛ばした分、負担が大きかったのか翌日膝が腫れてしまった。ラベナ8のクッション性はよいが、衝撃が完全吸収されるわけではなさそうだ。むしろ新品シューズの反発性でスピードが出て走らされる分、足への負荷は大きいのかもしれない。

ブルックスの品質はいいらしい

ブルックスは初体験だが、ショップの店員さんによると「ランニングシューズの専業ブランドなのでクオリティーは高い」とのことだった。たまにマラソン大会で見かけることはあるが、ディアドラ並みにマイナーな気もする。

先日アスロニアでデイブ・スコットのトークショーに参加した際、スポンサーのホカ オネオネが宣伝されていた。ここ数年、ソール薄めのミニマムシューズから、逆に厚めのホカみたいなシューズが流行ってきた。理論的な改良なのか、単なるファッションなのかよくわからない。

「BROOKS Ravenna8の履き心地は、HOKA ONE ONE Clifton2に似ている」というレビューサイトもあった。アシックスGT-2000に近いという説もあり、設計的には同じグループに属する製品なのだろう。

シューズとホイールの共通点

BORN TO RUN』によると、「クッション性の高いシューズは不安定に感じるので、かえって強く踏みつけて膝に負担がかかる」といわれている。しかし実体験としては、ウルトラマラソンやトライアスロンのロングディスタンスで、ベアフットシューズだと足が痛くなる確率が大きい。

もともと軽量設計なのか、単にソールがすり減って軽くなっているかで違いもあるだろうが、シューズは単に「軽ければよい」とういう話ではなさそうだ。自転車のホイールに「重量 vs 剛性」というトレードオフがあるように、ランニングシューズにも「クッション性 vs 反発性」、「安定性 vs 軽量性」という、相反するパラメーターがある。

実は製品のバリエーションを増やして、買い替え需要をうながすメーカー側の戦略に過ぎないのかもしれない。ソールの厚みがトレンドで変わるのを見ると、実はどちらでも大差ない(速い人はどんなシューズを履いても速い)ような気もしてくる。

結局シューズのフィット感は相性次第

ホイールより製品サイクルの短いランニングシューズは、一点もので「相性が命」という気がする。ターサージールのように、同じメーカーの同じモデルでもバージョンアップで履き心地がまるで変わってしまうこともある。

カタログ上のスペックからは、店頭で履いてみたフィット感、長時間履いてみた快適性などまったく予測できない。出たとこ勝負なので、高ければよいというわけでもない。品質は良くても、靴擦れで使い物にならないときもある。

消費者側の妥当な購入戦略としては、今回のブルックス、ラベナ8のように上級モデルを型落ち割引で手に入れて、気に入ったら同じモデルを同サイズで何足かストックしておくのがよいともいえる。

後継製品のラベナ9では、性能が上がっても履き心地は別物になってしまうおそれがある。半年おきにシューズを買い替えるたび、通販を試したり実店舗を何軒もはしごして、価格・性能的にベストなシューズを探すのも面倒だ。

そうやってシューズ選びで悩むのも、楽しみのひとつだと言えなくもない。バイクに比べるとマラソンはシューズくらいしかこだわれるアイテムがないので、とことん迷って選ぶのも幸せだと思う。スーツで働くサラリーマンが、時計や鞄選びにこだわるような感覚だろう。