シマノ製コースターブレーキCB-E110の分解清掃・交換メモ

通販で買ったシングルギアのピスト風自転車に付いていたコースターブレーキ(シマノCB-E110)。ペダルを逆に回せばブレーキがかかる仕組みで、慣れれば足だけで大きな制動力を得ることができる。

SHIMANO(シマノ) CB-E110 ナイブ1シキ 165mm Y28698010

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使用2年目に分解清掃、5年目に内部パーツ全交換して、現在13年目。そろそろペダルを回すとゴリゴリ音がするようになってきたので、またメンテナンスした方がよいのだろう。以前分解したときの記録から、作業方法を思い出してみたい。

コースターブレーキの使い方

対象は13年前に買ったBEAT MOONのFR-700C。後輪ハブの中にシマノのCB-E110というパーツが入っていて、クランクを逆回転させるとブレーキがかかる。固定ギアと違ってフリーが入っているので、足を止めて空転させることもできる。

足でブレーキをかける操作感は独特でおもしろい。自転車マニアなら、一度は試してもよいパーツといえる。前輪ブレーキも付けていない違法になるが、その気になれば後輪コースターだけで信号前でも下り坂でも車体を止めることができる。

ペダルの位置によっては力を入れてブレーキをかけられないので、止まりたいところを予測してポジションを調整する必要がある。コースターブレーキの問題点は、ペダル・クランクの位置によって、荷重を乗せにくい=ブレーキをかけにくいデッドゾーンが生じることだ。

信号前など、微妙なさじ加減で停止する際はハンドブレーキを使った方が便利だ。その代り、立ち漕ぎ状態で全体重をかけて逆回転のトルクをかければ、キャリパーブレーキより強く減速することができる。

コースターブレーキの存在意義

コースターブレーキは欧米のビーチクルーザーでは一般的らしい。「片手でサーフボードを持ちながら足でブレーキをかけるため」と言われるが、同じ理屈で買い物袋や通勤バッグを抱えて、片手運転するのはありなのだろうか。

実際に使ってみた印象からいうと、ロードバイクを片手で運転するのは不安定すぎて無理に近い。のろのろ漕ぐことはできるが、サイクリングロードで横から猫が飛び出してくるとか、とっさのブレーキ対応が難しい。

本来の用途からしても実用性は疑問だが、そもそも国内でビーチクルーザーという車種を見ることが少ない。ピストっぽい見た目にしたいとか、そういう特殊なニーズでしか出番がなさそうなのがコースターブレーキだ。

ゴム製のブレーキシューがないので、メンテフリーで長持ちしそうと見せかけて、内部の金属パーツは摩耗する。交換はハブの分解必須なので、工具の準備や手間を含めてとても一般の人にはおすすめできない。

CB-E110の分解

使い始めてから2年目に、興味本位でコースターブレーキを分解清掃してみた。ピンボケした写真しか残っていなかったが、こういうものがハブの中に納まっている。機構としては思ったより単純で、後輪ギアを逆回転させると中心側に移動する円錐状のコアがある。

そのまわりに2つ、同じ形の金属部品が独立してかぶさっており、これが外側に押し上げられることにより、ハブ内面との摩擦でブレーキがかかる。この緩衝材的なパーツがゴムでなく金属でできているのが特徴だ。外側には均等に摩擦力をかけるためか、細い溝が掘られている。

2年目ではほとんど劣化していなかったが、さらに3年(合計5年)後に開けてみると、ややすり減っていた。体感的にブレーキの効きが弱まった印象はなかったので、製品寿命としてはもう少し使えたと思う。

5年後に交換

コースターハブの中身は、グリスでべっとりした状態になる。ほぼ密閉された構造なので、数年放置しても固着することはない。5年目にせっかく分解したので、型番を調べてシマノCB-E110というパーツをごっそり入れ替えた。

どれほどニーズがあるのか知らないが、ちゃんと交換パーツが手に入るのがシマノ製品のうれしいところだ。

空転を抑えるためか理由はわからないが、チェーンと反対側のチェーンステーに取りつく謎の金具があるのも特徴といえる。

ついでにBBも分解

同じバイクのヘッドパーツやボトムブラケットも分解してみたが、カップ&コーン方式でコースターブレーキと似たような感じだった。

いずれも隙間にゆるく収まったボールベアリングを介して、軸が回転する単純な仕組み。機構はわかりやすいが、ばらすとグリスまみれの玉が転がって面倒なことになる。

  • クランクを外すのに特殊な工具がいくつか必要(専用品で他に使いまわせない)
  • グリスでべとべとになるので、あまり触りたくない
  • ベアリングの玉当たり調整がシビアで、加減を間違うとうまく回らない

というデメリットが目白押しなので、素人としてはあまり開けたくない部分だ。それに比べると、ロードバイクのカートリッジ式BBは合理的にできている。ブラックボックスだった伝統的BBの中身を知ることができて、勉強にはなった。

CB-E110もボルトの締め具合が強すぎたのか、整備完了してしばらく乗っていたら後輪がロックされるトラブルに見舞われた。その都度また分解して調整し直さないといけないのが面倒だ。

コースターブレーキは基本的にメンテナンスフリーといえ、よく使うなら5年に一度は点検した方がよいだろう。一般的なゴム素材のブレーキシューより耐久性は高いが、交換が面倒なので万人向けとはいいがたい。趣味で組み込むにしても、調整はプロショップにお任せした方がいいと思う。