Dahon K3でちょっとした坂なら難なく上れる(梅ヶ谷~二ツ塚峠)

ダホンK3のインプレッション報告。平地走行ロングライドに続いて、今度は東京の西側、日の出町~青梅市付近のゆるい峠を走ってみた。

本格的なヒルクライムではないが、局所的に10%以上ありそうな勾配も立ち漕ぎでなんとかこなせた。フロントギアは53Tの大口径とはいえ、リア17Tにすればそこそこの坂もシッティングで上れる。下りもスピードを抑えれば、特に怖い感じはしなかった。

ギアが3速しかないので、フロントダブルの車種に比べれば不利な点は否めない。しかし「折りたたみ14インチ」というスペックからすれば、思った以上に坂も上れるという感想だ。

実際のところ、完成車重量7.8kgという軽さを生かした登坂こそがK3の本領かもしれない。脚力のある人なら、K3で富士山や乗鞍岳を上るのも不可能ではないと思う。

梅ヶ谷峠(日の出町側から)

GW10連休の令和年号初日、午後から雨の予報だったので短時間で上れる峠を選んでみた。

奥多摩に行く前の、日の出町と青梅を南北につなぐ梅ヶ谷・二ツ塚という兄弟峠(つるつる温泉側に梅野木峠というのもあるらしい)。吉野街道を走っていると、この2つの峠から降りて来るロードバイクとよく遭遇する。

日の出町側からは、「かやくぼ」というT字路が起点になる。ここにコンビニがあるので、補給やトイレ休憩には便利だった。どちらの峠も北の青梅側から道なりに下りてくると、このコンビニで合流する。

T字路を北に向かい、坂本という交差点で左に折れると梅ヶ谷峠に向かう。似たような峠だが、梅ヶ谷の方が少しだけ勾配はきついようだ。

梅ヶ谷峠の頂上部分(Dahon K3)

日の出町側からは始終傾斜もゆるく、頂上付近の数十メートルだけ本格的な坂になる。17Tでほぼシートに腰かけたままこなせたが、最後の区間だけは立ち漕ぎせざるを得なかった。

二ツ塚峠(青梅側から)

梅ヶ谷峠を青梅側に下りたら、吉野街道を東に向かいJAのある交差点から秋川街道に折れる。そこから二ツ塚峠までは、先ほどより長い坂道。どちらの峠も青梅側からアクセスする方が勾配はきついようだ。

二ツ塚峠

しかしこちらの二ツ塚峠は長いわりにゆったりした坂で、ほとんど立ち漕ぎせずこなせた。頂上からの眺めがよいわけでもなく、いまいち「峠を上った」という実感がわかない。冬場、奥多摩の道が積雪・凍結する時期には、練習コースとして使えるかもしれない。

二ツ塚峠の頂上部(Dahon K3)

そのまま道なりに日の出町側に下ると、先ほどの「かやくぼ」交差点にたどりついた。せっかくなので、日の出町観光協会の脇にある別の道からも峠を上り直してみた。

途中にコンクリート工場があり、やや荒れた林道風の道を体験できる。舗装が荒れていて、昨日の雨でぬかるんでいる部分もあったが、K3で難なく上ることができた。濡れたグレーチングや落ち葉で後輪が滑らないよう注意するのは、ロードバイクと同じだ。

二ツ塚峠付近の脇道

そいて二ツ塚峠の最高部手前にある交差点から、日の出町側に戻る。このルートは途中に市営のサッカー場や霊園があり、道も整備されていて走りやすかった。少し遠くの山も見えて、見晴らしがよく気持ちよいコースといえる。ロードバイクで上って来る人とも、何人かすれ違った。

小径車でダンシングするコツ

梅ヶ谷で実験した結果、14インチ小径車でのダンシング登坂は可能だとわかった。

ロードに比べて少し不安な感じはするが、車体を左右に振って急坂を上ることはできる。今回は長めのバーエンドバーを付けてきたので、そちらを握ればドロップハンドルの自転車とほぼ同じ感覚で操縦できた。

ダホンK3に取り付けたバーエンドバー

フラットハンドルで立ち漕ぎできないこともないが、長く続く坂ならバーエンドを握った方がずっと楽だ。特にバイクを左右に振りつつ上るなら、車体と並行にハンドルを握った方がバランスを取りやすい。ビンディングペダルの「引き足」ならぬ「引き腕」という感じで、ハンドルを引く力の反作用でペダルを踏み込める。

3段変速という縛り

今まで乗っていたロードバイクは旧型の105コンポで10速×フロント2枚。それに比べると3段変速のダホンK3はいたってシンプルなギア構成といえる。自分の場合は以下のような使い分けに落ち着いた。

  • 1速(17T):きつい坂(激坂はダンシング)
  • 2速(13T):平地漕ぎ出し、ゆるい坂
  • 3速(9T):平地巡航、下り坂

街中を走っている限りは、ほぼ2~3速しか使わない。信号停止して漕ぎ出す際は2速。それ以外は基本的に3速のままこげる。K3の9Tは、前に乗っていたシングルギアの自転車(ギア比2.78)と同じくらいの負荷に感じる。

峠に挑むにあたっては、ある程度勾配がきつくなったら1速(17T)に固定。ロー側はそこで打ち止めなので、「ギアを温存」とか無駄に悩む必要がない。3速という制約の中で、与えられた道具を駆使していかに切り抜けるかというゲームになる。

シフトレバーが重い

ギア構成がシンプルだと、路面の傾斜に対する感覚が研ぎ澄まされる。シングルギアに乗っていると、坂が見えた時点で「事前に助走しておく」という発想になる。K3の場合も勾配の変化を予測して、早めにギアを変えておく配慮が要求される。

ダホンK3のシフトレバー

K3は親指で押し込む方式のシフターで、かつギアレシオの落差が大きい。STIに比べて変速する際に精神的・身体的ストレスを感じる。ぺダリングの負荷を平準化するため、できるだけこまめにギアチェンジしたいところだが、重い変速レバーを押し下げるのは覚悟がいる。

改めてSTIレバーの良さを実感

今回の小径車選びで親指シフターやバーコンを試してみて、いかにシマノのデュアルコントロールレバーがすぐれているか実感できた。ブレーキレバーを握ったポジションのまま変速できるのと、シフトレバーを押し込む際に指先の負荷が小さい。

ドロップハンドルが合理的なのは、多様なポジションをとれるだけでなく、STIレバーを装着できるというメリットがあるからだろう。ブルホーンでも楽な握り方は実現できるが、こまめな変速にはバーエンドコントローラーよりデュアルコントロールレバーの方が有利だ。

ハンドルを変えるかどうか

ダホンK3をドロップハンドルに換装するという改造は、まだ見たことがない。少なくともハンドルポストを外折れ式に替える必要があり、K3の売りである折りたたみ時のコンパクトさが損なわれてしまう。また直進安定性が微妙なので、下ハンとブラケット間のポジションチェンジは片手ずつになるだろう。

手間とお金をかければ、走行性はいくらでも上げられるだろう。しかし折りたたみ小径車というジャンルにおいては、輪行時の収納性・軽量性というパラメーターも重視したい。たかだが数万円のアルミフレームに、何十万もする高価なパーツを組み付けるのもアンバランスに感じる。

できるだけ重量・体積を増やさず、乗り心地を改良するベストなバランスを追求するのが、小径車カスタムの醍醐味だと思う。