折りたたみ自転車でも輪行はつらいが、室内保管は省スペース

いわゆるスピードや巡航性能という走行感に関しては、ミニベロよりロードバイクの方が全体的に有利だと感じた。爽快感や疲れにくさという主観的パラメーターに加えて、実際の登坂タイムも測って比べたので間違いない。

それでは小径車ならではの折りたたみ機能や、輪行・収納性という面ではどうだろう。フォールディングバイクは可搬性を優先してホイールサイズやフレーム形状が決められているため、走行性だけで優劣を評価するのは不公平だ。

今度は基本性能以外の持ち運び、保管やメンテナンスの手間といった観点から両者を比較してみたい。

小径車でも輪行はつらい

折りたたみ自転車は、もっぱら車や電車に乗せて運ぶことを意図してデザインされている。さっそくK3を箱根の一泊旅行に持って行ってみたところ、軽さと小ささは期待通りといいつつも、やはり輪行は大変だと感じた。

輪行中のダホンK3

そもそも日本の交通事情で、電車に自転車を持ち込むことに無理がある。ほとんどスーツケースサイズのK3だから、誰にも迷惑がかからないということはない。ロードバイクを分解して持ち運ぶよりは圧倒的に手間が少ないが、小径車でも電車の中では気をつかう。

輪行はマニア向けの趣味?

最小クラスのK3ですら電車に乗せるのはつらいと感じるくらいだから、そもそも輪行というカルチャーに無理があるのではなかろうか。20インチのミニベロでは、梱包サイズがロードバイクと大差ないものもある。自転車雑誌の宣伝とは裏腹に、旅先まで自転車を持ち運ぶのはよほど物好きな人向けの趣味に思われる。

観光地ではなるべく手ぶらで気楽に過ごしたい。現地で自転車に乗りたければ、レンタサイクルで十分だ。琵琶湖やしまなみ海道などサイクリングが盛んなところでは、ママチャリだけでなくクロスバイクの貸し出しが行われているところもある。

逆にがっつり走るトレーニング目的の旅行なら、目的地まで自走したい気もする(その方が電車賃もかからない)。自走不可能な離島や遠方に向かうなら、バイクは別で送るのが合理的。近隣のレースや練習会参加なら、自家用車かレンタカーでも借りて運ぶ方が楽だ。

車中泊輪行には有利

以前1BOXの軽自動車を持っていたとき、ロードバイクを乗せてよく車中泊していた。レース会場に向かう際も、道の駅の駐車場で前泊すると効率的だ。

後部座席を外した状態ならロードも分解なしで積むことはできるが、寝泊りするスペースが狭くなる。着替えや自転車用品など他の荷物も積むことになるので、バイクがコンパクトであるに越したことはない。

電車でなく車で自転車を運ぶ旅なら、小径車の方が楽そうだ。普通の乗用車に収納するならロードは分解が不可避だから、簡単に折りたためるミニベロの良さが生きてくる。ダホンのK3なら、軽自動車やコンパクトカーの助手席にも収まるだろう。ルーフキャリアも必要ない。

室内保管の便利さ

高級自転車は大半の時間、室内で保管されているはずだ。K3は外の駐輪場で保管するつもりだったが、カスタム用にパーツを検討したり寸法を測ったりする都合でまだ室内に置いてある。6畳間に自転車2台も置くのは無理かと思ったが、小径車だとあまり場所をとらずに済む。

ロードバイクと小径車の室内保管

室内保管の場合、玄関先から自室までいくつもの階段や扉を経由することになる。K3は重さが軽いことに加えて、ホイールが小さいので家の中でも持ち運びも楽だ。700Cのロードだと扉にホイールをぶつけてスポークを曲げたりしがちだが、ミニベロならそのリスクも少ない。

省スペースな小径車のメリットは、輪行だけでなく室内保管の面でも生きてくる。ミニマリストには間違いなくフォールディングバイクががおすすめだ。14インチなら折りたためばクローゼットにも収まるくらいだ。

K3の効率的収納法

室内保管とはいえ頻繁に乗るなら、毎回フレームを折りたたむのは面倒だ。ハンドルだけ畳んだりシートポストだけ下げたり試行錯誤した結果、「フラットバーを90度回す」のが妥当な一時的収納法とわかった。

小径車の一時的収納法

14インチのサイズだと、タイヤよりバーエンドバーの方が車体前方に出る。こうすると折りたたむより車体全体を薄く抑えることができ、壁際ぴったりに立てかけられる。収納スぺ―スはロードのドロップハンドル幅より狭い。ついでに部屋側のペダルを畳んでおけば、足をぶつけて痛い思いをせずに済む。

チェーンリングを室内側に向けた方が見栄えはいいが、うっかり衣類を汚してしまう恐れがあるので壁側に向けることにしている。ハンドルやシートのポストが突き出ていても、見た目の圧迫感はロードの半分くらいしかない。

体積あたりの走行性能

先に比較したように、小径車の基本的な走行性能はロードに劣る。現在主流の700Cダイヤモンドフレームは、歴史の中で磨かれてきた合理的形状なのだろう。性能を犠牲にして、あくまで省スペースさを追求したのがミニベロのコンセプトといえる。

もし車体の剛性や振動吸収性に加えて重量や体積というパラメーターで評価するなら、K3はロードに負けていないと思う。カーボンバイクとの価格差を含めればなおさらだ。華奢な外観に反して、3段変速でもワイドなギア比で相当走れる。

小径車の評価指標として「折りたたみ体積あたりの走行性能」というものを想定するとしたら、ダホンK3は間違いなく世界トップクラスだろう。大手メーカーの量産品なため、むやみに値段が高くないのもうれしい。流通量も多く、購入後のメンテナンスも安心だ。