NOVATECの軽量エアロホイールJETFLYに6年乗った感想

ロードバイクのRFX8に履かせているホイール、NOVATEC JETFLYについて感想をまとめてみたい。

完成車に付いていたWH-R500と交換して、2本目のホイールとして約6年乗り続けてきた。振り返ればスポークやニップル、クイックリリースやカセットフリーなど、トラブルが起こるたびにパーツを交換してきた。初期投資は安く済んだが、維持費用が思いのほか、かさんでしまった。

リムのブレーキ面はだいぶ削れてきたが、まだ使えると思う。しかしやがて寿命を迎えたら、次に買うのはもっと安くて丈夫なホイール、シマノ製品ならWH-RS500くらいで十分な気がする。JETFLYは繊細すぎて、自分には取り扱いが難しかった。

安すぎるホイール、JETFLY (SL)

JETFLYの重量は前後で1,400g台。クリンチャー/チューブレス対応のアルミホイールとしては最軽量クラスといえる。

シマノ、マビック、フルクラムなどの同等品を調べても、この重量だと前後輪セットで軽く10万は超える。実売価格6万台で手に入るJETFLYは何かがおかしい。

「ノバテック」という聞き慣れない台湾のメーカーについて調べたが、ハブのOEMでは評判がいい。別で売っているカーボンホイールの方は前後20万~と標準的な価格なので、なぜJETFLYだけが異様に安いのか不思議だ。

2019年には同価格でJETFLY SLという軽量ホイールが追加された。定価が2万高いSPRINTとスペックがかぶっている(むしろそれより軽い)ところを見ると、実質的な値下げなのだろう。

格安ホイールの代名詞と化したJETFLY人気にあやかって、ラインアップを広げたいようにも思われる。そのうちディスクブレーキに対応したり、リムハイト50mmくらいのディープなバージョンも出てくるとおもしろい。

国内でショップ・代理店経由で普通に買える完組みホイールとして、JETFLY(SL)のコスパは間違いなくトップクラス。「単位重量あたりの価格」を計算すれば、アルテグラホイールに匹敵するレベルだ。

しかもリムハイトは32mmと微妙に高い。デュラエースのC35にはやや及ばないが、最近流行のエアロロードに組み合わせるにもよさそうだ。

トライアスロンをやる以上は空力性能も気になるところだが、購入理由の大半はその見た目といえる。やはりディープリムのホイールは目立ってカッコいい。

SPRINTとJETFLYに試乗

JETFLYを購入したのは2013年。輸入元のAction Sportsが取り扱いを始めてからすぐに購入した。当時とスペックは変わっていないが、現在はリムにプリントされた文字が斜体になってマイナーチェンジされている。

JETFLY

ちょうど荒川沿いの彩湖で試乗会があり、買う前に自分のバイクに装着して乗り心地を試させてもらえた。同時発売の軽量ホイールSPRINTと乗り比べてみたが、正直なところ1キロ走った程度では違いがわからなかった。

  • どちらも空転時のラチェット音が馬鹿でかい
  • SPRINTの方はハブのカップ部分が赤くて目立つ

気づいたのはこのくらい。重さはSPRINTの方が100gほど軽いが、定価が2万円も高くなることを考えると、JETFLYの方が圧倒的にリーズナブル。さらに当時は、SOYOのチューブレスタイヤが2本おまけで付いてくるという特典まであった。

WH-R500と違いがわからない

アンカーの完成車についてきたWH-R500に比べると、重さは400g近く軽くなった。JETFLYの方がリムは高いが、スポークとハブはかなり細い。特に前輪のハブは華奢すぎて怖いくらいだ。

JETFLYの前輪ハブ

後輪から発生するけたたましいラチェット音は、前走者や歩行者に存在を知らせるのに便利だと気づいた。山では熊鈴の代わりになるかもしれない。最初は耳障りだったが、慣れれば気にならなくなった。近所の人は迷惑していることだろう。

JETFLYに履き替えると、ゼロ発進時の漕ぎ出しや登坂が少し楽になったように感じる。巡航速度もやや増したような気がする。本当のところ、雑誌やネットでプロがレビューするような大きな違いはわからなかった。

いずれも新品ホイールを買ったことによる、単なるプラシーボ効果かもしれない。同時にタイヤもチューブレス化したので、評価するにはパラメーターが変わりすぎた。空気圧を下げたことによる乗り心地のマイルドさは実感できたが、ホイールの性能とは関係なさそう。

別にR500でも都心から富士山一周して帰ってきたり、1日350kmくらいロングライドするのは可能だった。JETFLYに替えることで、劇的に行動範囲が広がったわけでもない。レースのタイムや順位も、残念ながらそれほど変わらなかった。

JETFLYでトラブル続出

ホイールをWH-R500からJETFLYに交換してから、いくつもトラブルを経験した。

まず、後輪クイックリリースの調子が悪く、シマノ製と交換することになった。単に締め付けがゆるかっただけかもしれないが、ぺダリングの度にきしみと異音が止まらなくなった。シマノのレバーは独自のカム構造で開閉動作も固定力も安定感抜群。わずかな重量差を気にしなければ、JETFLYのクイックは交換した方が安心だ。

次に、スポークが折れて交換が必要になった。そもそもの原因は、川原の車止めに後輪を引っ掛けてスポークを曲げてしまったため。無理やりひねって直してもらったが、金属疲労がたまっていたのだろう。数年後に自宅のドアにぶつけたら、根元から折れてしまった。

スポークテンションが高すぎたのか、近所のショップでは修理不能。結局原因はスポークというよりニップルが腐食していたようで、アルミ製からブラス製に総取り換えしてもらうことになった。

後輪のカセットフリーも、スプロケット交換の際に痛みが激しく、同時に替えてもらった。普段は見えない部分だが、段差に歯が食い込んでガタガタになっていた。

NOVATEC JETFLY

どうもJETFLYはコストダウンのためか、軽さのために強度を犠牲にしているのか、構成部品の強度や耐久性がいまいちな気がする。ニップルホールが偏心しているのも、不良品ではないかと思う。

前に乗っていたR500が頑丈過ぎたということかもしれない。公平に考えればJETFLYは性能が高い分、調整がシビアで取り扱いが難しいということなのだろう。高価な機材を使いこなせない自分が悪い。身の丈、懐事情に合っていなかったといえる。

アルテグラでよかったかも

JETFLYが他より安いとはいえ、6万もするパーツ。平地の巡航速度に関しては、エアロバーエアロヘルメットに替えたときの方がパフォーマンスアップを実感できた。文字どおり「費用対効果」という意味では、このホイールを買ってよかったのかどうか、今でも自信が持てない。

NOVATEC JETFLY

素人が2本目に買うホイールとしては、やはり定評のあるアルテグラ(WH-6800)あたりでよかった気がする。経験上シマノ製品はスペック表に表れない部分もよくできていて、トラブルが少ない。

しかもシマノのチューブレス対応ホイールは、フルクラムの2-Way Fitと同じくニップルホイールが存在しない。チューブレスでもクリンチャーでもリムテープが不要なので、便利なうえに安上がりだ。

購入当時はロードバイクに乗り始めて2年経ち、WH-R500ではどうも初心者っぽくて恥ずかしい気がしていた。転売する予定もなかったので、最後の方はリムのシールをはがして「正体不明の鉄下駄ホイール」として乗っていた。修行の身としては、このくらいストイックな方がふさわしい。

たまたま新発売された軽量・格安ホイール、しかもチューブレス対応。「今買えばタイヤ2本おまけつき」というサービスに魅力を感じて、勢いで買ってしまったまさにジェットフライ。長年乗り倒して元は取れたかもしれないが、高い勉強代になった。